栽培方法

 みかんの木は、木を植えてから実がなるまで少なくとも3年以上かかるため、実がなる木が植わっている園地を継承する等して就農することが一般的です。

 しかしながら、私たちは、耕作放棄地を開墾し、苗木を植えるところから栽培を始めました。苗木からスタートすることを生かし、新しい栽培技術の導入に取組みました。

栽培の特徴

1 独自の園地設計

 土木の仕事に長年携わってきた経験から、元々農地造成の高度な設計・施工技術を持っていました。このことを活かし、さらにみかん栽培に適した整備を研究して、独自に園地設計・造成を行いました。
 自然な地形の力に頼るのではなく、美味しいみかんづくりに適し、かつ作業性にも優れた「地形」を、耕作放棄地を利用して自らつくったのです。「滝沢みかん 光希」の土台は全てこの独自の園地設計・造成にあります。

2 シールディング・マルチ栽培

 シールディング・マルチ栽培という、みかんの木に供給される水分量をコントロールする技術を導入しています。これにより、天候によらず毎年安定した品質を実現しやすくなります。また、平地でも山の斜面を利用した栽培方法と同様に水はけを良くすることができ、また逆に必要な時期には水を供給することもできます。この方法により栽培したみかんの味は、濃厚で格別。普通の温州みかんとは一線を画す味です。
 山の斜面ではなく平地でも品質の高いみかんを生産できるようになれば、農業の労働負荷の軽減や、生産性の向上につなげることができます。技術の力で不利条件を克服することで、新しいみかん生産の在り方を目指しています。

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発

<シールディング・マルチ栽培① Sシートの埋設>

3 地域資源の活用

 移住者として自分たちを受け入れてくれたことへの感謝と共に、浜松の魅力向上・地域活性化に貢献するため、浜名湖の牡蠣殻や近隣酪農家が生産する堆肥など、地域資源を有機肥料として利用することに取組んでいます。地の利を活かした栽培により、「浜松らしい」農業にしていきたいと考えています。
 → 浜松市とのつながり

牡蠣殻

4 栽培技術

 みかんの木の栽培については、公的研究機関の指導も受けながら、剪定、施肥、摘果など、基本的な管理技術それぞれについて指針を持ち、安定した技術レベルとなるよう作業の標準化を図りながら、丁寧な栽培を心掛けています。
 新しい知見の学習も継続し、常に技術向上に努めることもに大切にしています。客観性が高く、かつ極力環境負荷の低い手法を選択することで、再現性が高く持続可能な農業としていきたいと考えています。現場で自ら試行錯誤を重ね、今後も継続して知見を積み上げていきます。

<耕作放棄地開墾の様子>

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